・思うような結果を出せない…
・トレーニングの計画が立てられない…
・結果に波がある…
マラソンランナーであれば、誰しも一度はこんな経験をしたことがあるのではないでしょうか?
そんな時、役立てたいのがPDCAサイクルです。
PDCAサイクルとは、「物事を円滑に進めるための手法」で、ビジネスシーンでの活用が多く見られます。
実はこのPDCAサイクルはマラソントレーニングにも活用することができるのです。
筆者の経験でも、結果を出しているランナーほど、上手に活用しているイメージがあります。
レースの結果に対して、裏付があり、なぜその結果を出せたのか理路整然と説明ができる。
強いランナー、速いランナーに共通している点とも言えるでしょう。
今回は、PDCAサイクルの具体的な活用方法を一緒に見ていきましょう!
PDCAサイクルを回す前に、まずは具体的な目標設定を行いましょう。
目標を定めないまま、練習を開始すると、ただがむしゃらに練習をする…という状況に陥りやすくなります。
目標を設定する際には、以下のポイントを意識して設定してみましょう!
①目標タイム(現状を考慮し、達成できそうなタイムか?)
②期間(十分なトレーニング期間は確保できるか?)
③時期(季節によって気象条件が変わるため、国内のターゲットレースは11月〜3月に設定すると良い)
以上のポイントを押さえることで、トレーニング計画も立てやすくなるだけでなく、目標の達成率も上がってきます。
目標を設定したら、いよいよPDCAサイクルを回していきましょう!
まずは、目標を達成するための肝となる「PLAN 計画」から見ていきます。
トレーニングには、3原理5原則が存在し、これを意識してトレーニングをすることで、効率良く競技力を向上できるとされています。
マラソントレーニングにも当然当てはまりますが、その中でも特に必要な原理原則をご紹介します。
「トレーニングの原理」
①過負荷の原理
自分の持っている能力以上の刺激(過負荷)でトレーニングをすること
②特異性の原理
目的に応じてトレーニングを行うこと
「トレーニングの原則」
①全面性の原則
トレーニングをする際は、バランスよく鍛えること
②意識性・自覚性の原則
鍛えている部位を自覚すること
③漸進性の原則
競技力の向上に合わせて、トレーニング強度も徐々に上げていくこと
これらを踏まえた上で、トレーニング計画を立てていくことが大切となりますが、次章の「トレーニングの期分け」を行うと、必然的に上で挙げた原理原則が当てはまるようになっています。
では次に、トレーニングの期分けについて見ていきましょう!
マラソントレーニングは準備期間も長く、一般的には3ヶ月程度かけて準備をした方が良いとされていますが、実はこの準備期間を期分けし、それぞれ異なる目的を持って、トレーニングをすることが大切です。
例【マラソントレーニングの期分けイメージ】
◎1ヶ月目 / 筋持久力養成期
トレーニングの目的:42kmを走りきる筋力の養成
トレーニングの割合:7対3(距離/スピード)
◎2ヶ月目 / スピード持久力養成期
トレーニングの目的:レース時に目標ペースで押していく心肺機能の養成
トレーニングの割合:5対5(距離/スピード)
◎3ヶ月目 / コンディショニング期
トレーニングの目的:トレーニングで蓄積した疲労を取り、フレッシュな状態を作る
トレーニングの割合:3対7(距離/スピード)
このように期分けをすることで、「目的」「段階的」・「過負荷」「バランス」「意識」が自然とトレーニングの中に組み込まれるようになっています。
※期分けイメージ
トレーニングの計画を立てるときは、数値目標をセットで設定しましょう。
数値目標を設定することで、シーズンの振り返りや大会ごとの振り返りを行う際に、主観と合わせて客観的な視点を持って振り返りが行えます。
それ以外にも、目標を日々のトレーニングに落とし込めるようになるので、「目標達成」のために何をすべきか明確になるメリットもあります。
方法としては、ます計画を立てる際に、自分はどの練習(種類)がどれくらい(量)必要なのか仮説を立てます。結果の出たレース前の練習はどんな内容だったのか?自分の長所や短所も含めて、考えてみましょう。
例えば、今シーズンはサブ3を達成するために、スピード持久力の強化に取り組もうとしているランナーの場合、このような数値目標が設定できると思います。
例【サブ3を目標にしているランナーのスピード持久力強化】
種 別:ペース走
目 標:20kmを4分00秒ペースで走れるようにする(AT値付近)
頻 度:1回/週
期 間:筋持久力養成期〜スピード持久力養成期(2ヶ月間)
内 容:12km(4分00秒)のペース走から始め、1週間ごとに1km伸ばし、9週目で20km走れるようにする。
このように「距離・タイム・心拍」などを用いて、数値目標を設定するのが大切です。
数値目標まで設定できたら、次の「DO 実行」では、各期のトレーニング内容について詳しく説明していきます。
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