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  2018年04月17日    

ランニングエコノミー(ランニングフォーム)の重要性と改善のヒント

ランニングエコノミーは自動車で例えるところの燃費の良さです。理想的なランニングフォームとは重力の力をうまく利用し、少ないエネルギーで大きな出力を出すことができる効率のよい走り方を言います。改善できると「より楽に」「より速く」走れるようになるランニングエコノミーを高めるためのヒントを箱根駅伝や実業団での競技を経験しているSPORTS SCIENCE LABのスタッフが紹介します。

SPORTS SCIENCE LAB

走力を構成する3つの要素

ランナーの走力を決定づける要素は「脚筋力(筋持久力含む)」以外にも「心肺能力」と「ランニングエコノミー」があります。心肺機能は自動車に例えると排気量に例えられますが、ランニングエコノミーは燃費の良さです。理想的なランニングフォームは重力の力をうまく利用し、少ないエネルギーで大きな出力を出すことができるようになります。
箱根ランナーや実業団選手などトップアスリートのランニングフォームは綺麗に且つ軽く走っているように見えますが、彼らはランニングを行う上で効率の良い走り方をしているのです。

三角形の面積が走力を表す

ランニングエコノミーの重要性

「心肺能力」や「脚筋力」を養うようなインターバルトレーニングや「筋持久力」を養う30km走などは市民なランナーでも実践されている方が多くいらっしゃいますが、ランニングエコノミーを意識しながらトレーニングをされている方は非常に少ないです。
「高強度トレーニングをしても記録が伸びない」と悩んでいるランナーは一度ご自身のランニング自体を見直し、ランニングエコノミーを改善することにより、大きく記録を伸ばせる可能性があります。
逆に言うとランニングエコノミーが悪い状況というのはランニングフォームのバランスを崩しながら走っている可能性が高く、体の一部分に極端な負担がかかってしまっています。その状態で、高強度トレーニングを繰り返してしまうと記録の伸び悩みのみならず、故障・怪我にもつながりやすくなります。高強度トレーニングにおいて最大限の成果が出せるようにするためにも、基盤となるランニングフォームを一度見直してみることは大きな意味があります。
ランニングエコノミーを改善することは「速く走れる」「綺麗に走れる」「怪我のリスクが減る」とランナーにとって非常にメリットが多く、走ることがさらに楽しくなることにもつながります。

多くのランナーに見られる「腰の落ちた走り方」

人それぞれの走り方の違いは今までの生活スタイル・ランニングの蓄積、体の骨格など様々な要因に起因します。すぐに変えられるものではありませんし、人それぞれ体に合った走り方があるので、一概に理想的なランニングフォームというのはありません。
ランニングフォーム改善をおしなべてアドバイスすることが難しいのですが、多くの市民ランナーと一緒に走り、目標達成をサポートしてきた中でランニングエコノミーの課題にはある程度類似する共通点があります。
もっとも多いのが「腰が落ちている」状態のランニングフォームです。効率の良いランニングフォームは腰が高い位置にキープされます。
腰が落ちている状態だと接地時間も自然と長くなります。これは例えるのであれば空気の少ない自転車に乗っている状態です。自転車に空気を入れるとタイヤの接地面積が小さくなり推進力が増すように、ランニングでも腰を高い位置でキープし、接地時間を短くすることによりランニングにおける走りの効率性が高まります。

腰を高い位置にキープして走れると接地時間が短くなる

腰高のフォームを維持する秘訣は骨盤の使い方

腰高のランニングフォームを実現するには骨盤の使い方がカギになってきます。ランニングをする上で骨盤を前傾させるなどというアドバイスがされますが、骨盤を意識して動かすことは非常に難しく、このようなアドバイスは頭で理解できてもなかなか実践が難しいです。
そこでオススメなのが、ランニング専用の骨盤サポートベルトの使用です。意識することなく簡単に骨盤の使い方を改善できるように開発された商品が「ランニングスタビライザー | RunningStabilizer」です。SPORTS SCIENCE LABでも開発協力を行い商品化されました。
こちらのベルトで骨盤を締めることで、骨盤がランニングする上で適切な位置に安定するようになり、腰高のランニングフォームをキープしやすくなることを狙って開発されました。
実際にランニングスタビライザーの開発段階で30名のランナーの方に着用していただき、着用前と着用後での走り方の変化を定点観測しました。着用前と着用後では平均で約3%接地時間が短くなるという結果が出ました。効果の出方は走り方や癖、各々のランニングフォームのよってバラつきがありましたが、ランナーによっては着用前後で明らかに足音の大きさが変わったり、10%近く接地時間が改善されている方もいらっしゃいました。
ランニングスタビライザーについては、以下で販売されているので興味ありましたらご参照ください。

ランニングスタビライザーで骨盤を適切な位置にキープ

その他にもランニングエコノミー(ランニングフォーム)の改善につながる方法

その他にも練習の仕方でランニングフォームやランニングエコノミーを改善するコツがありますので、いくつか順を追って紹介をさせていただきます。

専門家によるアドバイス

コストがかかりますが最も効果的なのは、アスレチックトレーナー・パーソナルトレーナーやスポーツインストラクターなど専門家に体や走り方を見てもらい、直接アドバイスをもらうことです。走り方の癖や筋力として弱い部分、左右のバランスや関節の柔軟性など個別具体的な課題を共有し、課題克服のために動きづくりや補強トレーニング、ストレッチやマッサージなどを実施します。SPORTS SCIENCE LABでも競技の最前線を経験したスタッフによるパーソナルトレーニングサービスを実施しております。

弱点を踏まえた補強トレーニングもランニングエコノミー改善に大きく寄与する

ランニングフォームの動画撮影

自分のランニングシーンをスマートフォンで動画撮影するのは、ランニングフォームを改善する上でとても効果的です。どのような体勢で走っているのか、重心移動がどのよう行われているのか、足がどのように着地しているのかなど検証することができます。少なからず頭の中でイメージしていた自分の走りとギャップが見つかるはずです。できれば定期的に撮影を行い、ランニングフォームがどのように改善されているのか比較・経過観察をできると、徐々にランニングフォームが改善されていることを実感できると思います。
また、iPhoneなどのスマートフォンではスロー再生できるような撮影方法もありますので、そのような撮影方法で撮影すると自身のランニングフォームの確認がしやすいのでオススメです。

ランニングエコノミーを数値化し、振り返りを行う

ランニングフォームやランニングエコノミーを改善しようとするときには数値による現状把握や振り返りを行えると良いです。ランニングエコノミーはスピードやタイムには出ないので、改善の進捗があいまいとなり、効果を実感するのが感覚的になりがちです。そこでおすすめなのがランニングウォッチの機能を使った数値の定点観測です。最新のランニングウォッチではGPSによる距離だけでなく、接地時間・上下動の幅・ピッチ数など様々な数値を取ることができます。ランニングウォッチを選ぶ際にはこのような機能があるのかどうかを検討材料に入れても良いと思います。
ランニングエコノミーは改善されるまで少し時間がかかると思いますが、意識して練習を継続し、振り返りを行うことで必ず結果は数値として表れます。結果が数値として表れることは大きなモチベーションになり、継続がしやすくなります。

Garmin Connectによる接地時間の検証

トップ選手のランニングフォームのイメージを刷り込む

Youtubeなどではワールドクラスのレース動画が多数上がっています。特にトラックレースに出場する選手のランニングフォームは野生動物のようなしなやかさがあります。なかなか真似をできるものではありませんが、繰り返しこのような動画を閲覧し、自分が走るときにも少しイメージを重ねていくと徐々にランニングエコノミーも向上することが期待できます。
このような動画を閲覧することはモチベーションアップにもつながるのでオススメです。

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箱根駅伝優勝・実業団駅伝日本一の経験をもとに、「マラソンに役立つ」情報を発信していきます。
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カテゴリ: トレーニングに関するTips


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