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  2017年01月09日    

東大卒ランナー松本翔さんに聞く「トップランナーと戦い続けるために心がけていること」

フルマラソン2時間13分の自己ベストを持ち、2年連続富士登山競走(山頂コース)を優勝しているトップランナー松本翔さんの強さの秘密に迫りました。

ランチップス編集部

東大卒ランナーの松本翔さんは平日は会社員として働きながらも、フルマラソン2時間13分の自己ベストを持ち、2年連続富士登山競走(山頂コース)を優勝し、日本のトップランナーの一人として活躍しています。
そんな松本翔さんの強さの秘訣を今回インタビューでお聞きしました。

練習にテーマを持つ

ランチップス編集部(以下:編集部)
今回は松本翔さんのトレーニングなどで意識していることを色々と聞かせてください。
まず、走力アップのためにはどのようなことを意識して練習をされているのでしょうか?

松本翔選手(以下:松本)
自分の練習に軸(テーマ)を持つということが重要だと考えています。
自分にとって何が必要か、どんな課題を克服するためにこの練習が必要かということをきちんと持つことを大事にしています。
例えば30km走の練習会があった時に本当は自分がやろうとしている設定ペースよりも速かったり・遅かったりということはあると思います。想定よりもペースが速い場合には、無理に速いペースで30kmを押し切ろうとするよりも20kmまででやめておき、翌週自分の想定ペースで30kmを走るなど自分が解決すべき課題や達成すべき目標を起点に練習を組み立てています。「やりきることが重要なのか?」「刺激を入れることが重要なのか?」毎回の練習にテーマを持つことが大切です。
ただし、時と場合により柔軟性を持たせることも重要です。インターバル走などは練習日のコンディションによりペースが維持できなくなった場合は、それ以上続けても練習効果は薄いので、練習を中断する選択も必要です。レース直前は自分の中で良いイメージを持って終わらせる「成功体験」が重要なので、無理なペースを設定せず、最後にペースを上げて気持ちよく練習を終わらせられるようにしています。

年単位で振り返りを行う

編集部:
松本さんのレース・練習計画の振り返り方を教えてください。

松本:
練習計画は年単位で振り返るようにしています。
振り返りを行うタイミングとしては、ゆっくり時間の取れる年末年始やレースシーズンの終わる4月頃に行っうことが多いです。
ある年は年間を通してフルマラソンを入れ過ぎてしまい、なかなかスピード練習ができず、レースペースを余裕度を持って維持することができませんでした。
逆にその教訓を活かして翌年はレースを詰め込み過ぎず、速いペースに慣れるような練習をバランスよく取り入れました。5,000mもきちんと走れるようになり、マラソンでも良い走りができました。5,000mがきちんと走れているシーズンはマラソンでも良い結果が出ています。
このように1年単位で振り返り、毎年どんな課題を持って走るのか、どんな挑戦をするのかを決めています。
年間の指針を決めてから、レース計画を立て、トレーニング計画に落とし込み、日々のトレーニング結果を練習日誌に落とし込んで振り返っています。

練習計画は振り子で考える

編集部:
具体的にどのようにトレーニング計画に落としこむのでしょうか?

松本:
基本的には練習計画は1週間区切りで考えます。
ポイント練習は基本的に1週間に2回で考えます。インターバル走の次は長めのビルドアップ走や30km走というようにスピード練習とロング走(スタミナ練習)を交互に1回ずつ行い、1週間の中でも練習に変化ををつけることが重要です。
毎週はできませんが、時間が取れるタイミングや合宿などで2日連続ポイント練習(セット練)を行う場合もスピード系とロング走の組み合わせです。セット練を行う時には一般的にはスピード練習を1日目に入れ、2日目にロング走を入れます。

怪我をしないためのケアを自分で行う

編集部:
怪我をしないための工夫はどのようにされていますか?

松本:
定期的に治療院にも通っていますが、基本的には自分の体は自分でケアをしています。
高校時代からずっとセルフケアを行なってきたこともあり、違和感が出た時には「ここら辺をほぐせば…」というような勘所が身についています。
体を触った時の感触が正確に分かるのは自分しかいないので、セルフマッサージは最も重要なボディケアだと位置付けています。インターネットなどで調べたり情報から入らずに自分の感覚と向き合う事を大事にしています。
違和感のある場所を見つける時に目安になるのが「左右差」です。左右触った感触を比べてしこりなどがある部位には疲れが溜まっていることが多いです。
ここ3年間大きな怪我はしていませんが、怪我をしないというのは自分の強みだと思っています。

編集部:
具体的にどのようなケアを行なっているのでしょうか?

松本:
起床後、練習前、夜と1日3回はストレッチポールを使用しています。
特に上半身をほぐすことを意識しています。学生時代机に向かっていた時間が長かったせいか、上半身が凝りやすいです(笑)。
練習前は上半身をほぐすことで、体が動きやすくなります。デスクワークやPCに向かっている時間の多い方は上半身は凝っていることが多いと思いますので、上半身をほぐしてから走ることをお勧めします。具体的には上のイメージ画像のような感じで、腹筋に力を入れつつ、背中や肩周りをストレッチポールでほぐしています。
その他は足の裏をマッサージしたり、違和感のあるところをほぐしています。あまりふくらはぎや太ももを直接揉みほぐしてたりはしないようにしています。

自分の置かれている環境でベストを尽くす

編集部:
松本さんは実業団の選手とレースでしのぎを削ることが多いと思いますが、実業団選手に勝つために工夫されていることなどありますか?

松本:
特に実業団の選手を意識したりという事はありません。毎年自己ベスト更新を目指して走っています。
目標達成のために今置かれている自分の環境でベストを尽くすという事だけ意識しています。
練習効率を考えてトレーニングを行う事はもちろん、食事やお酒にも人一倍気を遣っています。
実業団選手に比べると練習に充てられる時間は限られていますが、自分自身環境に恵まれている部分もあります。一人で練習をすることもありますし、Facebookで練習メンバーを募ることもあれば、TEAM M×Kの練習会で走ったり、奥さんとジョギングをしたりもでききるので、フレッシュな気持ちでトレーニングを続けることができます。毎回同じ環境や練習メンバーだとどうしても練習に飽きてしまったり、モチベーションに波が出てしまいがちですが、自分はモチベーションを維持しやすい環境にいると思っています。
今年は東京マラソンに向けて調整し、自己ベストの更新を目指しています。

さいごに

以上、松本翔選手にお話をお伺いしました。
松本翔選手は書籍を2冊出されていますので、もっと深く松本選手のトレーニング方法を知りたいという方は是非書籍を読んでみてください。

また、松本翔選手が主催する練習会「TEAM M&K」は代々木公園を中心に毎週練習会を実施しています。
参加者のレベルが高く、フルマラソン自己ベスト更新を目指す方は是非参加してみてはいかがでしょうか?
特に申し込みは必要なく、直接現地集合になるので、仕事の都合がついた時に当日参加ができます。日程など詳細はFacebookページでご確認いただけます。

ランチップス編集部 ランチップス編集部
ランチップスの運営スタッフがランニングが楽しくなる、トレーニングに役立つ情報を発信します。
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カテゴリ: トレーニングに関するTips


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