- HOME
- トレーニングに関するTips
- 「目標達成の成否はここで分かれる」1年単位でレース・トレーニング計画を立てる重要性

2017年04月06日
「目標達成の成否はここで分かれる」1年単位でレース・トレーニング計画を立てる重要性
「マラソンで目標達成できるか否か?」半分は振り返りと計画の立て方といったトレーニング以前の組み立て段階で成否が決まります。
いよいよ2017年度がスタートしました。学生・社会人など新たな気持ちや環境で新年度を迎える方が多いのではないでしょうか。
陸上界でも冬季のマラソンシーズンが終わり、これからトラックレースが始まります。そこで今回は年間を通してのレースやトレーニング計画をどう立てていけば良いかを考えてみましょう。
まずは1年間を振り返る

まず、昨年度のレース結果はいかがでしたか?目標とする記録や順位を達成できた方や逆に目標に届かなかった方など様々でしょう。そこで一度、昨年度を振り返る機会を作りましょう。
結果が良かった方は「なぜ良かったのか」。悪かった人は「なぜ悪かったのか。」結果を振り返ることにより成果や課題が明確になります。結果が良かった方は、今まで行ってきたトレーニングから更にステップアップするための方法を考えましょう。「インターバルの設定タイムを上げる」や「別のトレーニングを取り入れてみる」など今まで行ってきた事から少しグレードアップする必要があります。
結果が悪かった方は、今までのトレーニングを見直す必要があります。また、トレーニングと同時にレース時の課題を明確にする必要があります。フルマラソンで途中大きく失速してしまった人はそこに至るまでのトレーニングはどうだったか。長い距離のトレーニングが足りなかった方もいるでしょうし、そもそもスピード不足によりオーバーペースになっていた方もいるかもしれません。
それらを振り返り、次の目標を立てるためにも練習日誌をつけることをオススメします。練習日誌をつけることで、今までのトレーニングメニューやその時のトレーニング結果の振り返りがきちんとできるようになります。更に心拍数の管理も行なっていると自分の調子を確認するバロメーターも数値化され、振り返りの精度が飛躍的に上がります。
年間計画を立てる

そうした振り返りを行い、課題も見つかったところで年間計画を立てましょう。まず、目標とする記録をどこで出すか(ターゲットレース)。これは距離にもよりますが、フルマラソンの場合そこに向けてのトレーニングやマラソン後の休養も含め年間2レースぐらいに絞った方が良いです。そしてターゲットレースに向けてまずは期間の区分けを行いましょう。鍛練期・準備期・試合期・移行期。この4つのサイクルを年間を通してしっかりと回して行くことが競技力向上に繋がります。
身体の基礎をつくる『鍛錬期』
本格的なトレーニングの始まりとなります。身体の基礎となる部分を強化していく為に筋力トレーニングを行ったり、長めの距離を走って脚づくりを行う目的と、インターバルトレーニングなどペースを速くして質を上げるのではなく、ある程度ゆとりを持ちながら量をこなすようにします。この鍛錬期はあまり調子を意識せずにトレーニングを継続して積むようにしましょう。
レースを意識した『準備期』
レースの要素を取り入れたトレーニングが多くなります。鍛錬期に比べ、設定ペースをレースペースに近づけていきます。心拍でいうと80%以上の不可となるトレーニングが多くなります。主なメニューとしてはインターバル・ペース走
などで、鍛錬期で養ったスタミナにスピードを加えていくイメージです。
ピークをレースに持ってくる『試合期』
レースに調子を合わせる為に、量を少なくして質を最大限に上げていきます。当然疲労が大きくなりますので、しっかりと間に休養日を入れていきながら、レースをイメージしましょう。メニューとしてはレペティションやスピードを上げたインターバルなどが主になります。この時、筋力トレーニングも継続して行いますが、鍛錬期の筋力アップに比べこの時期は筋力維持が目的となります。正しい身体の使い方・筋の使い方をするための補助のトレーニングと考えてください。
心身ともにリフレッシュする『移行期』
レース後の期間です。休養をとってリフレッシュすることも必要です。この期間があることによって、次の目標に向けて気持ちを切り替えることができます。また、試合を振り返り課題を見つけ、改善策を考える期間でもあります。そして次の鍛錬期のための準備として「何を」「どれだけ」「どうしていくか」のプランを立てることも大切です。
長期視点における計画立案の重要性

陸上競技の長距離走の場合、年間を通してレースがあります。その中でも目先のレースに捉われず年間を通して計画を立てる必要があります。ターゲットレースを設定することにより、他のレースを『鍛錬期』や『準備期』のトレーニングの一環と位置付けることも出来ます。レースが最高のトレーニングにもなります。ターゲットレース以外は「今日は最初から速いペースで走ってみよう」や「今日は中盤ペースを上げてみよう」など、目的や課題を設定してレースに臨むことにより、実践トレーニングを行う事が出来ます。
トップ選手がレースにピークを合わせるのが上手なのは、こういった年間計画をしっかりと立てて緻密に実行出来ているからです。
年間レース計画の立案例
「年間のレース計画「フルマラソンをターゲットとしている場合」
春に鍛錬期と並行してスピードを強化する為にトラックレースで5000mなどを走るのが良いです。スタミナが課題の方はこの時期から鍛錬期として量を中心としたトレーニングを始めましょう。
↓
夏は暑くて質の高いトレーニングが行えないので、鍛錬期としてじっくり長めの距離で脚づくりを行う事をオススメします。
↓
秋は涼しくなってくるので、トレーニングの質も徐々に上げていき、ハーフマラソンに出場すると良いでしょう。
↓
冬はターゲットレースであるフルマラソンで記録に挑戦する。
最後に
このように年間を通してレースとトレーニングの計画を立てることにより、より目的・目標を明確に持って取り組む事が出来るので、この記事をご覧になられた方は早速計画を立てていきましょう。
YAGI POJECTでは今回紹介したトレーニング立案手法に基づき、オンラインでトレーニング管理支援を行なっています。「実際に自分でどのように振り返り、計画を立てたら良いかわからない」「今年度こそは目標達成したい」と考えている方は是非ご利用をご検討ください。
八木 勇樹
YAGI RUNNING TEAM代表。早稲田大学競走部にて箱根駅伝優勝を経験し、旭化成陸上部を経て、2016年7...
YAGI RUNNING TEAM代表。早稲田大学競走部にて箱根駅伝優勝を経験し、旭化成陸上部を経て、2016年7...
関連記事
キュレーター紹介

八木 勇樹
YAGI RUNNING TEAM代表。早稲田大学競走部にて箱根駅伝優勝を経験し、旭化成陸上部を経て、2016年7月より独立。現在東京オリンピック出場に向けマラソン競技に挑戦...
YAGI RUNNING TEAM代表。早稲田大学競走部にて箱根駅伝優勝を経験し、旭化成陸上部を経て、2016年7月より独立。現在東京オリンピック出場に向けマラソン競技に挑戦...
no comments